夏の終わりに抜け毛が増えたと感じる方へ|秋までの頭皮の整え方

シャンプーのときに指にからむ髪が増えた、朝の枕に落ちている本数が気になる——8月の終わりから9月にかけて、こうしたご相談が増えてきます。夏のあいだは気にならなかったのに、暑さが少しやわらいだ頃から急に目につくようになった。40〜60代の方から、そんな感じ方をよくうかがいます。
季節の変わり目に抜ける量が増えたように感じるのは、めずらしいことではありません。ただ、その背景には夏のあいだに頭皮が受けてきた負担が関わっていることが多く、そこを整えないまま秋を迎えると、パサつきや分け目の気になり方まで長引いてしまうことがあります。この記事では、なぜこの時期に抜け毛を感じやすくなるのか、どのくらいの増え方なら様子を見てよいのか、そして秋までにできる頭皮の整え方を、美容師の視点で順に整理してお伝えします。
この時期の増え方は一時的なことが多く、頭皮の乾燥と汚れから整える
先に要点をお伝えします。夏の終わりに抜ける本数が増えたと感じるとき、その多くは夏のあいだに積み重なった負担が、少し遅れて表に出てきている状態です。髪には生え替わりの周期があり、頭皮が受けた影響がその日のうちに抜ける本数として現れるわけではありません。数週間から1〜2か月ほどの時間差をおいて、生え替わりのタイミングが重なることで、いつもより多く感じられることがあります。
ですから、この時期にまず手をつけたいのは、抜けた本数そのものではなく、頭皮の乾燥と汚れの残りです。夏のあいだは汗と皮脂が出やすく、洗い方が強くなりがちな一方で、冷房の効いた室内で過ごす時間が長いと、頭皮の水分は思っている以上に奪われています。汚れが残っていれば頭皮はこわばりやすく、うるおいが足りなければ乾いてつっぱりやすくなる。この両方が同時に起きているのが、夏明けの頭皮によくある状態です。
言いかえると、打てる手は「落としきる」と「うるおいを残す」の二方向に整理できます。この後にお伝えする手入れは、どれもこのどちらか、あるいは両方に当てはまります。数を増やすより、今のシャンプーと乾かし方を少し整えるところから始めるほうが、秋の頭皮は落ち着きやすくなります。

夏の終わりから秋に、抜け毛を感じやすくなる背景
なぜこの時期なのか。理由はひとつではなく、夏のあいだに重なったいくつかの要素が、同じタイミングで表に出てくることが関係しています。
ひとつめは紫外線と汗の影響です。頭皮は体の中でも高い位置にあり、顔よりも直接日差しを受けやすい場所です。それでいて、日焼け止めを塗る習慣のある方は多くありません。加えて汗をかけば、皮脂と混ざって頭皮の表面に残りやすくなります。乾燥と皮脂づまりは正反対のようでいて、夏の頭皮では同時に起こりがちです。
ふたつめは冷房による乾燥です。屋外の暑さばかりに目が向きますが、40〜60代の方が一日の大半を過ごすのは冷房の効いた室内であることも多いものです。空気の乾いた場所に長くいると、頭皮のうるおいは静かに減っていきます。夏に頭皮がつっぱる、かゆみが出るという方は、外の日差しよりも室内の乾燥が背景にあることも少なくありません。頭皮の乾燥やかゆみが続いている場合は、頭皮の乾燥・かゆみ・フケが気になる方へもあわせてご覧ください。
みっつめは夏の疲れが、生え替わりに遅れて出てくることです。暑さで食欲が落ちる、睡眠が浅くなる、汗をかいて体力を使う——こうした体の変化は、髪をつくる働きにも時間差で影響します。8月に受けた分が9月に見えてくる、という感覚に近いものです。だからこそ、涼しくなった頃に「今になってどうして」と感じることになります。
そして40〜60代の場合、ここにもともとの髪の変化が重なります。年齢とともに一本一本が細くなってくると、同じ本数が抜けても、地肌の透け方や毛量の減り方として目に見えやすくなります。抜ける量が急に増えたというより、変化が見えやすい土台になっている、ととらえておくと落ち着いて対処しやすくなります。年齢による抜け毛の見極め方そのものについては、抜け毛が増えたと感じる方へ|40〜60代の原因の見極めと頭皮ケアで詳しく整理しています。
様子を見てよい抜け方と、早めに相談したい抜け方
「どのくらいなら心配しなくてよいのか」は、この時期にいちばん多いご質問です。本数を数えたくなるお気持ちはよく分かるのですが、髪は毎日一定量が自然に生え替わるものなので、数字だけを見ても判断はつきにくいものです。見ていただきたいのは、次の三つの変化です。
ひとつめは抜けた毛の見た目です。根元まで伸びきった長い毛が抜けているのであれば、周期を終えた毛が自然に抜けている可能性が高くなります。一方で、短く細い毛ばかりが目立つようになってきたときは、髪が育ちきる前に抜けている場合があります。洗面台に落ちた毛をときどき見てみると、変化に気づきやすくなります。
ふたつめは頭皮の状態です。赤みやかゆみ、フケ、押したときの痛みをともなう抜け方は、季節の要因だけでは説明しにくいことがあります。頭皮そのものに変化が出ているときは、髪のケアより先に、皮膚科などの医療機関に相談されるほうが確実です。美容室でできるのは髪と頭皮の見え方をお伝えすることまでで、診断はできませんので、その線引きははっきりさせておきたいところです。
みっつめは続いている期間です。夏の負担が背景にある増え方は、涼しくなってしばらくすると落ち着いてくることが多いものです。逆に、秋が深まっても同じ状態が続く、あるいは分け目やつむじの地肌の見え方が明らかに変わってきたという場合は、ホルモンの変化や体調など、別の背景が重なっていることもあります。更年期前後の髪と頭皮の変化については、更年期の髪と頭皮の変化でも触れています。
秋までにできる、頭皮を整える三つの手入れ
ここからは、今日から見直せることをお伝えします。新しいものを買い足すより、いま毎日していることの精度を上げるほうが、結果として続きます。
ひとつめは、洗い方を整えること。 抜ける本数が気になると、洗う回数を減らしたくなる方がいらっしゃいますが、皮脂や汚れが残ったままのほうが頭皮はこわばりやすくなります。基本は毎日、ぬるめのお湯で洗い流す時間を長めにとることです。シャンプー剤をつける前に、お湯だけで30秒ほどすすぐだけでも、落ちる汚れはかなり変わります。洗うときは爪を立てず、指の腹で頭皮を動かすように。すすぎは自分で思っているより長めに、生え際と耳の後ろ、襟足に残りやすいことを意識してみてください。洗い方の基本は正しいシャンプーの洗い方にまとめています。
ふたつめは、乾かし方を変えること。 濡れたまま置く時間が長いほど、頭皮は蒸れやすくなります。タオルで水気をしっかり取ってから、ドライヤーは根元から先に。頭皮に近い部分を早めに乾かし、毛先は最後に軽く整える順番にすると、乾かす時間も短くなります。夏はドライヤーを使うのが億劫になりがちですが、自然乾燥の習慣が残ったまま秋に入ると、頭皮の状態が整いにくくなります。乾かす手順は髪の乾かし方もご参照ください。
みっつめは、うるおいを残す工夫を足すこと。 頭皮が乾いていると感じるときは、頭皮用の保湿アイテムを使う方法もありますが、まずは今使っているシャンプーの洗浄力が今の頭皮に合っているかを見直すほうが先です。夏用にさっぱりしたものへ切り替えていた方は、涼しくなる時期に合わせて戻すだけでも変わることがあります。あわせて、指の腹で頭皮を動かす軽いマッサージを1〜2分ほど。強くもむ必要はなく、頭皮を動かせる程度で十分です。頭皮のかたさが気になる方は頭皮のかたさとマッサージもあわせてどうぞ。
なお、髪そのもののパサつきや色落ちが夏のあいだに進んでいる場合は、頭皮の手入れと並行して髪側の立て直しも必要になります。その順番は夏のあと髪がパサつく・色が抜けた方へで整理しています。
美容室で相談するときに伝えたいこと
自分ではどこまでが季節のことなのか判断しにくい、というのがこの時期の悩みの本質かもしれません。美容室で相談されるときは、次のことを伝えていただけると、状態に合わせた提案がしやすくなります。
いつ頃から気になり始めたか、抜けた毛は長いものか短いものか、頭皮にかゆみや赤みがあるか。この三つがあるだけで、季節の影響が大きいのか、別の背景を考えたほうがよいのかの見当がつきやすくなります。加えて、夏のあいだの過ごし方——屋外で過ごす時間が長かったか、冷房の効いた場所にいることが多かったか——も参考になります。
施術の面では、頭皮に赤みやヒリつきがあるときの白髪染めの進め方を相談しておくと安心です。塗る範囲を根元ぎりぎりまで詰めない、しみにくい薬剤を検討する、リタッチで範囲を絞るといった調整ができます。頭皮の状態を整えたい時期には、洗い残しを落として血行をうながすヘッドスパを組み合わせる方法もあります。どれも状態を見たうえで選ぶものですので、迷う段階で相談していただいて構いません。
三島市や沼津市の周辺で相談先をお探しの方も、髪の仕上がりだけでなく頭皮の状態を見て一緒に考えてくれるかどうかを目安にされると、この時期は特に安心だと思います。

季節の変わり目を、頭皮の手入れを見直す機会に
夏の終わりに抜ける本数が増えたと感じるとき、その多くは夏のあいだの負担が少し遅れて出てきている状態です。紫外線と汗、冷房による乾燥、そして夏の疲れ。これらが生え替わりの周期と重なることで、涼しくなった頃に目につくようになります。だからこそ、本数を数えて不安を大きくするより、洗い方・乾かし方・うるおいの残し方という毎日の手入れを整えるほうが、秋の頭皮は落ち着きやすくなります。
一方で、短く細い毛ばかりが抜ける、頭皮に赤みやかゆみがある、秋が深まっても状態が変わらない——こうしたときは、季節以外の背景を考えたほうがよい場面です。医療機関に相談すべきかどうか迷う段階でも構いませんので、今の頭皮の見え方や、いつから気になり始めたかをお聞かせください。夏のあいだの過ごし方を一緒に振り返るだけでも、次に何を手当てすればよいかは見えてきます。気になることがあれば、まずはLINEでお気軽にご相談ください。
大事なポイント
- Q.夏の終わりに抜け毛が増えたように感じるのは、よくあることですか?
- A.この時期にご相談が増えるのは事実です。髪には生え替わりの周期があり、夏のあいだに受けた紫外線や汗、冷房による乾燥などの負担が、少し時間をおいてから抜ける本数の増加として感じられることがあります。数週間から1〜2か月ほどで落ち着いてくる方が多いのですが、感じ方には個人差がありますので、気になる状態が続く場合は自己判断せず、頭皮の状態を見てもらいながら相談されるのが安心です。
- Q.1日に何本くらい抜けると気にしたほうがよいのでしょうか?
- A.髪は一定の周期で自然に生え替わるため、毎日ある程度の本数が抜けます。本数を数えて一喜一憂するより、いつもと比べて増えているか、抜けた毛が細く短いものばかりになっていないか、頭皮に赤みやかゆみがないかを見るほうが役に立ちます。本数よりも変化の方向を見る、と考えていただくとよいと思います。
- Q.抜け毛が気になる時期に、白髪染めは控えたほうがよいですか?
- A.一律に控えたほうがよいということはありませんが、頭皮に赤みやヒリつきがあるときは、時期をずらすか薬剤の置き方を調整したほうが落ち着いて過ごせます。根元ぎりぎりまで塗らない、しみにくい薬剤を検討する、リタッチで範囲を絞るといった調整もできますので、予約のときに頭皮の状態を伝えていただけると相談しやすくなります。
- Q.頭皮マッサージは毎日したほうがよいですか?
- A.毎日でなくても構いません。力を入れてこするより、指の腹で頭皮を動かす程度を短時間、続けられる頻度で行うほうが向いています。爪を立てたり、長く強くもんだりすると、かえって頭皮の負担になることがあります。シャンプー前後や乾かす前の1〜2分など、生活の流れに組み込める場所を決めておくと続けやすくなります。
- Q.秋になっても抜け毛が落ち着かないときは、どうしたらよいですか?
- A.季節の要因だけでなく、体調やホルモンの変化、頭皮の状態など別の背景が重なっていることもあります。かゆみや赤み、フケ、頭皮の痛みをともなう場合や、地肌の透け方が明らかに変わってきた場合は、皮膚科などの医療機関に相談されるのが確実です。美容室では髪や頭皮の見え方の変化をお伝えできますので、どちらに相談するか迷うときの整理役としてお使いください。
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